改宗体験談:二度のシャハーダで気づいた心の答え
「ねえ、本当に大丈夫?」
画面越しに講師の顔を見つめながら、私は心臓が喉から飛び出しそうになっていた。隣に座る彼女が、そっと私の手を握る。
「大丈夫。私が隣にいるから」
その瞬間、私は勇気を振り絞り、人生を変える第一歩を踏み出した。
1. オンラインでのシャハーダ
講師:「では、シャハーダを唱えてください」
私:「アシュ…アシュハドゥ…(声が震える)」
彼女:「ゆっくりでいいよ。大丈夫、一緒にいるから」
胸が熱くなり、目頭がじんわりと熱を帯びる。アラビア語の響きは難しい。それでも、心の奥から「言いたい」という気持ちが湧き上がる。
私:「アシュハドゥ・アッラー・イラーハ・イッラッラー…」
講師:「そうです、そのまま続けて」
私は震える声で、最後まで言葉を繰り返した。沈黙のあと、講師が柔らかく微笑む。
講師:「おめでとうございます。今日からあなたはムスリムです」
彼女:「やったね!」(涙ぐみながら私の肩を抱く)
私はただうなずくしかなかった。胸の奥に流れ込む安堵感は、これまで味わったことのないものだった。
2. 対面でのシャハーダ
数ヶ月後、千葉県の礼拝所で。
証人:「準備はいいですか?」
私:「はい。でも正直、すごく緊張しています」
証人は笑顔でうなずき、優しく言った。
証人:「緊張するのは自然なことです。大事なのは、あなたの心です」
私は深呼吸をして、再びシャハーダを唱えた。その場の空気が一瞬止まったように感じた。声は震えていたが、今度は確信を持っていた。
証人:「アッラーに感謝を」
私:「ありがとうございます。やっと、本当に自分がムスリムになれた気がします」
彼女:「あなたの顔、とても穏やかに見えるよ」
その言葉に、心の奥まで光が差し込むようだった。
3. 改宗後の会話(振り返り)
彼女:「ねえ、最初のオンラインのときと、今日の気持ちって違う?」
私:「うん。最初はよく分からないまま必死だった。でも今日、改めてシャハーダを唱えて、本当に心の底から神とつながれた気がする」
彼女:「私も隣で見ていて、あなたが変わっていくのを感じたよ」
4. 改宗を通して学んだこと
私は振り返って思う。改宗は、一度の言葉だけではなく、その後の学びと実践で深まっていくものだ。
「不安でも、迷っていても、心から求めれば道は開ける」
それが、私が二度のシャハーダで掴んだ答えだった。
5. 改宗を考える人へのアドバイス
もし、この記事を読んでいるあなたが「改宗に興味はあるけれど不安…」と感じているなら、その気持ちはとても自然です。私自身も最初は迷いと恐怖でいっぱいでした。
しかし、不安の正体を一つひとつ解きほぐしていくと、道は少しずつ開けていきます。例えば、改宗を考えるときによくある疑問は以下のようなものです。
- アラビア語が分からないけど大丈夫?
- 家族や友人にどう説明すればいい?
- 礼拝や断食はすぐに全部できなくてもいいの?
これらの疑問に対して、イスラムの学びは「心の意志を第一に」という姿勢で応えてくれます。少しずつ学び、少しずつ実践する。それで十分なのです。
だからこそ、もしあなたが「まだ準備ができていない」と感じても、それは後ろ向きな理由ではなく、むしろ誠実な心の表れなのだと私は思います。
6. 改宗後に直面する課題と向き合い方
改宗したからといって、すべてがすぐにスムーズになるわけではありません。むしろ、そこからが新しい挑戦の始まりです。私も、いくつかの課題に直面しました。
6-1. 家族や友人との関係
特に日本ではイスラムへの理解がまだ広がっていないため、「どうしてイスラムに?」と疑問を持たれることが多いです。私は正直に「心の安らぎを求めた」と伝えましたが、最初は戸惑う人もいました。
大事なのは、相手を説得しようとするよりも「自分にとって大切な選択である」という姿勢を見せることだと感じます。
6-2. 実践の難しさ
礼拝(サラート)や断食(サウム)は、いきなり完璧にできるものではありません。私も最初は時間を守れずに落ち込んだことがあります。しかし、仲間に相談すると「少しずつで大丈夫だよ」と励まされ、肩の力を抜いて取り組めるようになりました。
6-3. 日常生活の変化
食生活ではハラールを意識する必要があり、外食のときに戸惑うこともあります。ただ、それをきっかけに「どんな食べ物を体に入れるか」をより真剣に考えるようになりました。
7. 改宗はゴールではなくスタート
二度のシャハーダを経て、私ははっきりと感じます。改宗はゴールではなく、むしろ信仰の旅のスタートラインにすぎないということを。
学び、悩み、問いかけ、実践しながら少しずつ前進する。その繰り返しの中で、心はどんどん安らぎに満たされていきます。
だから、もしあなたが今迷っているなら──勇気を出して一歩を踏み出してみてください。きっとその先で、想像以上の安堵と光に出会えるはずです。
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